2008.12.05
第七回 ロード ムーヴィー
2008年10月18日開催

【河内智子】
みなさん、こんにちは。
最近、年を越す前に、体の気になるところを治そうと思って、いろんな病院を
転々としている河内です。最近はレントゲンのフィルムも生産中止で、デジタルになった
と先生が教えてくれました。コストや、安全面ではデジタルがいいらしいですが、
よく見えるのはフィルムだとその先生は仰っていました。病院の「よく見える」は、
イコール病気発見にも繋がるので、かなり重要ですよね。ここでもフィルムを惜しむ声を
聞くとは思ってもみませんでした。
では、課題の「ロードムーヴィー」について話します。
私と高見さんは、各駅で岩手の盛岡まで行きました。一日、約12時間乗り続け、
その道中で知り合った人を中心に写真を撮っていくことにしました。
電車の中はいつもゆっくりした時間が流れ、ホームに降りた瞬間から、
時間の流れが早くなる気がしました。
窓の外をずっと眺めていると、ホームでお祭りをしていたり、
黄金色の稲が揺れる田んぼが続いたり、山の中を延々と走ったり、
洗濯物を干していたりと、次から次へと場面が変わり、まるで用意されている映像を
みているかのような感覚でした。
肝心の写真ですが、私は人を撮るということに、ものすごく自分で枠を
作りすぎていたように思います。「こうしなければいけない」なんてルールは、
旅写真にはいらなかったのです。
旅も出会った人との時間も楽しかったのですが、いざその人を撮ろうとなったときに
変に落ち着こうと思ったり、考えたりしていたので、撮影を楽しめていなかったです。
それは、展示をしてみんなの写真をみたときに思いました。自分の写真は、
楽しさのかけらも写っていなかったからです。
ワークショップのあとに、自分の今回の写真について考えました。人を撮ってみて、
自分の写真が面白いと思うのか?撮影のときに何が足りなかったのだろうか?
その後、いろんな人の写真を見てみることにしました。
その中で、Wolfgang Tillmans 「Portraits」 がありました。
Tillmansと被写体の関係性は私にはどうでも良くて、でも何故か写っている人が
面白くて、ずっとみていたくなるのです。
それはきっと、Tillmans自身がその人にとても興味があったからだと思いました。
人として興味があるから、とてもよく見ているのではないでしょうか。
それが、写真に出ている気がしました。
それは、今回一緒に行動した高見さんの写真にも出ていました。高見さんは、
自分の興味のある被写体に対しては、素直でした。興味のない被写体に対して、
社交辞令で撮っていたのは私のほうでした。どのような気持ちで被写体と向き合うか。
驚き、興味、興奮。そのままの勢いで素直に撮ることが大事だと、高見さんの行動と
写真を見て思いました。
今回のテーマでは、それぞれのメンバーが今までよりも一歩東京を離れました。
一歩でこんなにも写真の表情が変わるのだなと思い、びっくりしました。
世界はまだまだ広いんだなと感じました。
同じテーマで撮って、15人並べて見ることも残り3回。初めは、比較されることが
嫌だったけれど、今は、そこから何かを見つけることがとても楽しいです。
たくさん学びたいです。
【加藤新作】
こんにちは。
先週マンションの隣の部屋に引っ越して気持ちも新たにさあがんばろかーと思った矢先に風邪でダウン。
だいたいいつもこれから忙しくなるという時に風邪をひいたりするのが昔からの習慣で、これはどうやらココロとカラダが何か複雑に連動しあっているに違いない。
そこにきて最近はどうも体力面にも不安が....。
この「ロード・ムーヴィ」ではメンバーがあらかじめ指定させれたペアに分かれて旅のプラン、コンセプトを出し合い最低1泊することを条件に東京を離れ写真を撮ってくると言うもの。
僕の相方はデザイナーの小倉くん。
彼が山登りが好きだと知っていたので、じゃあ互いの趣味を生かしてどこかの山頂を目指して山小屋で一泊でもしようかと盛り上がったのですが、よく考えると最近は近所の坂道を自転車で少し立ち漕ぎしただけでゼイゼイ言っている自分を思い出し、
「ちょ、ちょっと考え直そう......」
という訳で、最終的には各停電車を使い途中下車を繰り返しながら新宿から松本を目指す旅になりました。
二人の異なる視点はそれぞれの街をどのように切りとるのか。
今回の展示では旅のパートナーから影響を受けたものが多いのが印象的でした。
新谷くんが女像と写っている写真はいつもの新谷ワールドそのものなんですが、
撮影したのが吉次くんだと気づくとこれはやはり何か新しい化学反応が起きたのですねきっと。
森の中での光と影をとらえた佐藤くんの写真、いつもより影の多い円城寺くんの写真にも心奪われましたがこれも互いを意識し合った中で新しく生まれてきた答えのような気がします。
僕たち二人も例にもれず互いに影響し合ったのか「写真が似ているなあ」という指摘がありました。
展示する前の段階ではあまりそこに気づかずにいたのですが、
そうやって言われてみると被写体、被写体との距離感、画角などは違うものの、
その土地その場所で実は同じコトを感じ取りながらシャッターを切っていたことに気づきます。
もう早いとこ切り上げて次ぎに行きたくなる街
なんだかホッと安心できる街
いくらでも撮り飽きない街
やりきれない気持ちにさせられる街.......
二人で本当によく歩きました。
これだけ歩くんだったら山頂も目指せたのではないか?
「写真の上手下手は二の次。大切なのはそこにオドロキが写っているかどうか。」
このMOTOKOさんの話にドキッとしました。
旅に出ている時の自分は日常と比べて感情はより自由になって、
新しい出会いを受け入れることに寛容になっている気がします。
そしてその出会いの記憶を新鮮なオドロキとともに封じ込めた写真には説得力があり、血が通ったような生々しさがありました。
カメラの設定を誤って最後のフィルムをダメにしてしまう僕には
まだまだ技術を磨く必要がありますが、その技術を脱ぎ去り、
すぐさま裸になれる身軽さも同時に併せ持つことも大切なんやと考えさせられます。
これはちょっとこれからの自分にとって大きいです。
【今月の一枚】
郷土のお祭りの踊り手さんたち......なのでしょうか。JRの駅ホームで突然の邂逅。
高見さんの出会い頭の当たりの強さみたいなものにドキっとします。
よく見るとブレてたりするんですけど、そのへんも慌てて撮っている感じがして、
見ているほうも焦ります。意識して撮れる写真ではないかも知れないけど、
写真を撮る前に身体が反応してる写真って見る側にも伝わってくると思います。
(タカザワケンジ)

【今回のグループ賞】
村上、吉村、山形チーム
集団自殺向かう3人という設定がまず面白い。ネタとして茶化すには重い内容。
かといって、実感のないままにシリアスに『表現』できるのか。
難しい設定であることも間違いない。しかし、結果として、三者三様の写真が
出てきたのは、それぞれは、死について考える機会を持ったからではないかと思う。
メメント・モリ。
人としてベーシックな問題への挑戦はすごく大切なことだと思います。
(タカザワケンジ)

2008.11.18
素晴らしき日々 vol.25 【高見知香】
「日本三景、松島にて」

*「素晴らしき日々」はメンバーのみなさんが日々暮らしの中で
ふとした瞬間に立ち止まったもの、気になったものを1枚(もしくは複数)の写真で
切り取っていただくコーナーです。
2008.11.17
素晴らしき日々 vol.24 【吉次史成】
「番外編 その4」

行定監督・松蔭さん、素敵な時間をどうもありがとうございました!
*「素晴らしき日々」はメンバーのみなさんが日々暮らしの中で
ふとした瞬間に立ち止まったもの、気になったものを1枚(もしくは複数)の写真で
切り取っていただくコーナーです。
2008.11.14
素晴らしき日々 vol.23 【MOTOKO】
「一年前」

*「素晴らしき日々」はメンバーのみなさんが日々暮らしの中で
ふとした瞬間に立ち止まったもの、気になったものを1枚(もしくは複数)の写真で
切り取っていただくコーナーです。

